和名:アサマシジミ本州中部低山帯亜種(?)
学名:Lycaeides subsolanus yaginus 英名: The Asama Silver-studded Blue
群馬県吾妻郡長野原町/2011.07.18
Olympus E-5//ZuikoGigital ED50-200mmF2.8-3.5
ヒメシジミ亜科で時々眼にするのが、四翅を大の字のように思い切り突っ張るようにして開翅する姿。恐らく太陽光を効率良く浴びて体温を上昇させるためのものなのだろうが、アゲハやタテハで見られる、前翅を後翅と重ねるようにする、一種だらしない姿勢とは対照的な「ちっちゃいけれど頑張るぞ!」的な可愛らしさがある。
この個体も朝日に向かってそういう開翅をしていたのだが、問題はこの蝶が何かと言うこと。付近にはヒメシジミが群棲する草地があったので、撮った時にはヒメシジミの♂だとばかり思っていた。しかし、後になって画像を見ていると、翅表外側の黒い部分がヒメシジミにしては広く、またブルーの光沢も黒褐色の地色に乗ったような、アサマシジミ♂のような特徴を備えている。
アサマシジミは既に群馬を除く関東全都県から姿を消し、残る群馬県内でも生息が確認されたのが僅か6町村と言う、れっきとした絶滅危惧種である。撮影地がその6町村の一つであることを考えれば、アサマシジミである可能性も捨てきれない(尤も、ヒメシジミの個体変異もかなり顕著なので、アサマシジミであるとも断言し難い)。
惜しむらくは、この時ヒメシジミとばかり思い込んでいたせいで、明確な識別点を持つ翅裏を確認でになかったこと。一応ここではアサマシジミとさせていただくが、ご異論があれば是非ご指摘賜りたい。