和名:ツマキチョウ♂
学名:Anthocharis scolymus 英名: The Yellow tip
東京都杉並区成田西/2012.04.29
Olympus E-5//ZuikoDigital ED50-200mmF2.8-3.5
長年の課題だったツマキチョウ♂の静止姿勢の撮影にようやく成功。手前に茎が入ってしまったのが口惜しいが、なんせ極端に落ち着きの無い蝶なので、これが精一杯である。数年間逃げられ続けてきて、昨年、高尾山でようやく上翅端が白い♀の撮影に成功していたのだが、この蝶の名が示すとおりの「イエローチップ」の可憐さは、♂でなければ解らない。
少々皮肉だったのは、場所が思い切り地元だったこと。春先にしか姿を現さず、モンシロやスジグロシロに比べると決して数は多くは無いものの、この時期には新宿御苑等の都心部にも生息する蝶なので、不思議でもなんでもないのだが、昨年までの苦労を思うとなんとなく割り切れないものを感じてしまう。
和名:キタテハ秋型
学名:Polygonia c-aureum 英名:The Chinese comma or The Asian comma
東京都武蔵村山市岸/2012.04.15
Olympus E-5//ZuikoDigital ED50-200mmF2.8-3.5
春の狭山丘陵で出会った、キタテハの越冬個体。鮮やかな秋型の色彩と、厳しい冬に苛まされたぼろぼろの翅のアンバランスさが一種痛々しい。
タテハの仲間は成虫で越冬するものが目立つが、もちろん全てが冬を生き残れるわけではない。推定では1%以下とも言われており、こうやって春の陽射しを浴びることができるのは、ごくごく一部に限られる。特に今年の冬のように厳しい寒さが続いた場合は、例年より生存確率は格段に下がったであろうことは想像に難くない。
その意味では、この破れた翅こそ、歴戦の勇士の凱旋の証とでも呼ぶべきかも知れない。
和名:ミヤマセセリ♂
学名:Erynnis montanus 英名:The Spring Flat
東京都武蔵村山市岸/2012.04.15
Olympus E-5//ZuikoDigital ED50-200mmF2.8-3.5
久しぶりに訪れた狭山丘陵は、天気こそ良かったものの、北から吹く風の芯にはまだ冷たさが残り、虫の気配はまだまだと言った印象。それでも、少数ながら姿を見せた蝶の一つがこのミヤマセセリ。♂ばかりで♀の姿が見えなかったことから察するにまだ羽化が始まったばかりのようである。例年よりも低温で推移した冬の影響で、春の訪れが遅かったと言うことかも知れない。
ともあれ、他のどんな蝶よりもいち早く羽化するこの蝶が見られたら、今シーズンもようやく幕開け。毎年のことではあるが、これから秋までの間に、どんな出会いが待っているのか、胸躍る春の到来である。